2008年 10月 18日
Maison Leroy のワイン |
2ヶ月程前に、車で10分程で行ける飲料品量販店で見つけた、次の3つのMaison Leroyのワイン。えっ~?このお値段?
1.1999 Monthelie
2.2003 Savigny-les-Beaune Les Ratausses
3.2000 Chorey-les-Beaune
3つとも同じお値段(¥2480)でした。で、ヴィンテージと村名からみて、私が選んだのは、1と2。帰って検索してみたら、アメリカでは3つとも$65~$85くらいで出ていました。
Leroy(ルロワ)は、Madame Lalou Bize-Leroyによる、ブルゴーニュのトップ3に入る造り手。Biodynamieビオディナミ(簡単に言うと、有機栽培に、天体の動きや、特殊な肥料などを取り入れた農法)。Domaine LeroyとMaison Leroy(ネゴシアン・ワイン)があり、Domaineワインは、非常に高価なものばかり(例えば、一番低価格のAC Bourgogneでも何年か前、確か$90くらい。。。)。それに比べ、Maisonワインは、例えば、昨年上旬ベイエリアで、1999のAC Bourgogneを$23~25で買っていました。
1999 Monthelie (モンテリー)
1999年は、1990年以降の良いヴィンテージの上位に入っていて、特に赤はここ数年とても落ち着いていい味を出してきている。Monthelieは、Côte de Beauneに位置し、大まかにいうと、MeursaultやVolnayに接して、その丘側(西)にある。赤が多く、Volnayに似ているものもあるけれど、もう少し素朴な味わい という印象。さて、このLeroyのMothelieは、うん。いける。お値段からみて、保存状態など心配していたものの、全然OK。もっと買い足して来なくては。合わせたのはすき焼きや薄味の焼肉。程よく熟成したワインの、このアペラシオンにしては薄すぎない(さすがLeroy+1999)、コクと旨みが、ジューシーなお肉とよく合いました。
Château de Monthelie (3/22/08、モンテリー村のテースティングの時。気温はまだ凍えるような寒さでした。)
2003 Savigny-les-Beaune (サヴィニー・レ・ボーヌ) Les Ratausses
2003年は、ブルゴーニュはというか、ヨーロッパ中、歴史に残る猛暑のヴィンテージ。収穫も異例の早い時期(8月下旬)に始められ、そのワインは、熟した、糖度の高いブドウから造られた、伝統的なブルゴーニュとは異なる味わい。独特の程よい酸味が損なわれてしまったものが多く見られる。特に白では顕著。私は仕事でかなりのものをテースティングしており、白は正直言って、個人的にすべて見送り。頑なに購入しませんでした。赤はフルーティーでしっかりした、どちらかというとイタリアのバローロやバルバレスコを連想させるようなワインがあり、それはそれで面白いと思っていましたが、主人は酸味のないブルゴーニュなんて、許せなかったようで、しかも、収穫量が極端に少なかったため、お値段は比較的高めの設定 ということもあり、やはり購入を拒否していました。
ただ、昨年ブルゴーニュに住み始めてから、2003年の特に赤rougeをいくつかいただく機会があって、やはり、バローロやバルバレスコを連想させるそのワイン達をちょっと見直し始めたのでした。多くの造り手に2003年をどう思いますか?と質問してみましたが、彼らは、いや、収穫時は大変だったが、悪いヴィンテージでは決してない。というのが大勢。私達も、イタリア、ピエモンテのファンでもあり、今飲んで美味しい。ブルゴーニュと言われると、う~ん。。。その伝統的ブルゴーニュの味わいとの違いに、違和感が無いわけではないけれど。。。
Savigny-les-Beauneは、やはりCôte de Beauneの、ボーヌ市のすぐ北に位置するアペラシオン。白、赤を産出する。村名はあまり知名度が高い方ではないが、それだけにリーズナブルなお値段のものも見つけることができ、個人的にお薦めのアペラシオン。特にPremier Cru一級畑のものは、造り手によるが、質の高いものが多い。このLeroyのSavigny-les-Beauneは、村名に畑名を付したもの。果実味が若々しい、しっかりした味わい、バランスも良い。熟成香はないものの、そのフレッシュさと口当たりの良いまろやかさが心地よい。ビーフ・シチューやたれ焼肉と合わせてみましたが、お互いしっかりした味わいが、勝ち負けなく、ワインの果実味がシチューやたれの甘味とGoodコンビネーションでした。
そして、実は私はこのSavigny村のはずれにあるワイナリーのメゾンに住んでいました。コルトンの丘を右端に、Pernand Vergelessの丘そして、サヴィニーのブドウ畑を一望できる、とても景色の良い家でした。日々変わる景色を毎日のように写真に収めたくなる、ブルゴーニュならでは、フランスの田舎の良さを実感できる村。
家の前の景色。ブドウ畑。真正面の木立の奥がSavignyの村の中心。2007年10月末、正午。
村の中心部にあるChâteau de Savigny。2007年10月末。
右奥の丘がPernand Vergeless。6月上旬、早朝。
気球が下りてきて思わずパチリ!7月中旬、午後8時頃。
ダイニングルームの窓越しに。7月中旬、午後9時頃。
この2つのワインは、買ってまもなく、家族でペロリと飲んでしまい、早速買足しに出かけましたが、お値段が¥2980になっていました。私のように、このワインが?えっ~?!と思って買いに走った人が他にもいたのかしら?残り少なくなっていました。そして、3つ目の2000年Chorey-les-Beauneも試しに買ってみました。これは思っていた通り、他の2つにはちょっと劣る。との個人的な印象。2000年ヴィンテージの赤は、あまり良いヴィンテージとは言われないが、チャーミングな果実味を持ち、柔らかめの、早飲みタイプのものが見つけられる。個人的に好きで一時買いに走りましたが、造り手やアペラシオンによっては、果実味の少ない、力の抜けたようなワインに当たってしまうことがありました。。。Chorey-les-Beauneは、やはりボーヌ市のすぐ北、Savigny-les-Beauneと接していますが、その殆どが、Côte d'Or コート・ドールで唯一ルートN74の東側に位置する村名アペラシオン。ということは、平坦な畑が多いということ。ブルゴーニュのワインの質を語るとき、畑の傾斜、水はけなどが非常に重要になってきます。が、話が長くなるので。。。
でも、たった2、3本のワインについて、なんとも長い文章を書いてますよね。私。でも、そこがワインの楽しいところ。本当はまだまだ書ける、書きたいけれど、今日は終わります。
サンフランシスコの業界向けテースティングで。Leroyのワイン達。
1.1999 Monthelie
2.2003 Savigny-les-Beaune Les Ratausses
3.2000 Chorey-les-Beaune
3つとも同じお値段(¥2480)でした。で、ヴィンテージと村名からみて、私が選んだのは、1と2。帰って検索してみたら、アメリカでは3つとも$65~$85くらいで出ていました。
Leroy(ルロワ)は、Madame Lalou Bize-Leroyによる、ブルゴーニュのトップ3に入る造り手。Biodynamieビオディナミ(簡単に言うと、有機栽培に、天体の動きや、特殊な肥料などを取り入れた農法)。Domaine LeroyとMaison Leroy(ネゴシアン・ワイン)があり、Domaineワインは、非常に高価なものばかり(例えば、一番低価格のAC Bourgogneでも何年か前、確か$90くらい。。。)。それに比べ、Maisonワインは、例えば、昨年上旬ベイエリアで、1999のAC Bourgogneを$23~25で買っていました。
1999 Monthelie (モンテリー)
1999年は、1990年以降の良いヴィンテージの上位に入っていて、特に赤はここ数年とても落ち着いていい味を出してきている。Monthelieは、Côte de Beauneに位置し、大まかにいうと、MeursaultやVolnayに接して、その丘側(西)にある。赤が多く、Volnayに似ているものもあるけれど、もう少し素朴な味わい という印象。さて、このLeroyのMothelieは、うん。いける。お値段からみて、保存状態など心配していたものの、全然OK。もっと買い足して来なくては。合わせたのはすき焼きや薄味の焼肉。程よく熟成したワインの、このアペラシオンにしては薄すぎない(さすがLeroy+1999)、コクと旨みが、ジューシーなお肉とよく合いました。
Château de Monthelie (3/22/08、モンテリー村のテースティングの時。気温はまだ凍えるような寒さでした。)
2003 Savigny-les-Beaune (サヴィニー・レ・ボーヌ) Les Ratausses
2003年は、ブルゴーニュはというか、ヨーロッパ中、歴史に残る猛暑のヴィンテージ。収穫も異例の早い時期(8月下旬)に始められ、そのワインは、熟した、糖度の高いブドウから造られた、伝統的なブルゴーニュとは異なる味わい。独特の程よい酸味が損なわれてしまったものが多く見られる。特に白では顕著。私は仕事でかなりのものをテースティングしており、白は正直言って、個人的にすべて見送り。頑なに購入しませんでした。赤はフルーティーでしっかりした、どちらかというとイタリアのバローロやバルバレスコを連想させるようなワインがあり、それはそれで面白いと思っていましたが、主人は酸味のないブルゴーニュなんて、許せなかったようで、しかも、収穫量が極端に少なかったため、お値段は比較的高めの設定 ということもあり、やはり購入を拒否していました。
ただ、昨年ブルゴーニュに住み始めてから、2003年の特に赤rougeをいくつかいただく機会があって、やはり、バローロやバルバレスコを連想させるそのワイン達をちょっと見直し始めたのでした。多くの造り手に2003年をどう思いますか?と質問してみましたが、彼らは、いや、収穫時は大変だったが、悪いヴィンテージでは決してない。というのが大勢。私達も、イタリア、ピエモンテのファンでもあり、今飲んで美味しい。ブルゴーニュと言われると、う~ん。。。その伝統的ブルゴーニュの味わいとの違いに、違和感が無いわけではないけれど。。。
Savigny-les-Beauneは、やはりCôte de Beauneの、ボーヌ市のすぐ北に位置するアペラシオン。白、赤を産出する。村名はあまり知名度が高い方ではないが、それだけにリーズナブルなお値段のものも見つけることができ、個人的にお薦めのアペラシオン。特にPremier Cru一級畑のものは、造り手によるが、質の高いものが多い。このLeroyのSavigny-les-Beauneは、村名に畑名を付したもの。果実味が若々しい、しっかりした味わい、バランスも良い。熟成香はないものの、そのフレッシュさと口当たりの良いまろやかさが心地よい。ビーフ・シチューやたれ焼肉と合わせてみましたが、お互いしっかりした味わいが、勝ち負けなく、ワインの果実味がシチューやたれの甘味とGoodコンビネーションでした。
そして、実は私はこのSavigny村のはずれにあるワイナリーのメゾンに住んでいました。コルトンの丘を右端に、Pernand Vergelessの丘そして、サヴィニーのブドウ畑を一望できる、とても景色の良い家でした。日々変わる景色を毎日のように写真に収めたくなる、ブルゴーニュならでは、フランスの田舎の良さを実感できる村。
家の前の景色。ブドウ畑。真正面の木立の奥がSavignyの村の中心。2007年10月末、正午。
村の中心部にあるChâteau de Savigny。2007年10月末。
右奥の丘がPernand Vergeless。6月上旬、早朝。
気球が下りてきて思わずパチリ!7月中旬、午後8時頃。
ダイニングルームの窓越しに。7月中旬、午後9時頃。
この2つのワインは、買ってまもなく、家族でペロリと飲んでしまい、早速買足しに出かけましたが、お値段が¥2980になっていました。私のように、このワインが?えっ~?!と思って買いに走った人が他にもいたのかしら?残り少なくなっていました。そして、3つ目の2000年Chorey-les-Beauneも試しに買ってみました。これは思っていた通り、他の2つにはちょっと劣る。との個人的な印象。2000年ヴィンテージの赤は、あまり良いヴィンテージとは言われないが、チャーミングな果実味を持ち、柔らかめの、早飲みタイプのものが見つけられる。個人的に好きで一時買いに走りましたが、造り手やアペラシオンによっては、果実味の少ない、力の抜けたようなワインに当たってしまうことがありました。。。Chorey-les-Beauneは、やはりボーヌ市のすぐ北、Savigny-les-Beauneと接していますが、その殆どが、Côte d'Or コート・ドールで唯一ルートN74の東側に位置する村名アペラシオン。ということは、平坦な畑が多いということ。ブルゴーニュのワインの質を語るとき、畑の傾斜、水はけなどが非常に重要になってきます。が、話が長くなるので。。。
でも、たった2、3本のワインについて、なんとも長い文章を書いてますよね。私。でも、そこがワインの楽しいところ。本当はまだまだ書ける、書きたいけれど、今日は終わります。
サンフランシスコの業界向けテースティングで。Leroyのワイン達。
by mao_fl
| 2008-10-18 12:02
| Wine